【レビュー】PS4版「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」をプレイしての感想・評価

「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」真ENDクリアしました。

2017年9月28日にはPS4版が発売された「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」。製作は日本一ソフトウェア、ジャンルはターン制3DダンジョンRPGです。今回「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」を真ENDまでクリアしたのでレビューを書いてみました。

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「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」をプレイしての感想・評価

今回レビューをしていくのはPS4版「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」。PSVITA版と大きな違いはないのですがグラフィックが鮮明になり各ファセットのビジュアルが追加されるという小さな変更点があります。真ENDをクリアするまでにかかった時間は80時間程。プラチナトロフィーも取得。と言っても本作は真ENDまでクリアするとそれだけでプラチナトロフィーまで取得できてしまうのですけどね。それでは早速戦闘・成長システム・ストーリーに分けてレビューしていきたいと思います。

戦闘

最大40パーティのガヴンシステム

人数の増加が強さに直結

人数が増えるほどこちらの手数が増え、1ターンあたりのダメージ量が増加するので強くなっていると実感できます。自身で作った人形兵に対して戦闘での活躍を通じて徐々に愛着も湧いくるので旅団全体を強化していくことが楽しくなってきます。

後半は戦闘に時間がかかる

命令指示は基本ガヴン単位で行います。15名分すべて命令する必要はなくカヴン単位で命令できるのでそれ程煩わしいとは感じませんでした。しかし、命令はいいのですが敵・味方の人数が多いとそれぞれに攻撃エフェクトが発生し、ストーリー後半になるほど戦闘にかかる時間が長くなってきます。この部分で少しテンポの悪さを感じました。

結魂書により性能・ドナム・役割が変化

結魂書を選ぶのに悩む楽しみ

結魂書にはいろいろな種類があります。特定のファセットに有効な結魂書や、経験値稼ぎに特化した結魂書など様々。あるBOSSでは特定の結魂書のドナムを使用しなければ勝てないギミックなどもあります。最終盤では「白薔薇の結魂書」や「夕闇の結魂書」、「マズルカの結魂書」に偏って使用していましたが、そこまでの道中は色々と試して楽しめました。

陣形システム

特定の陣形しか使わない

陣形は最終的に8種類になるのですが、このうち「ドナム攻撃陣形」と「ドナム防御陣形」が非常に強力なため、ほぼこの2種類しか使用しない人が多かったと思います。双方とも使用するとドナム力が70%上昇する効果があります。本作においてドナムによるダメージは他の物理攻撃によるダメージを遥かに凌ぐ(3倍~4倍程度)ためドナム系フォーメーションしか使わなくなってしまいました。もう少しバランスがとれていれば他の陣形にも意味があったのではと思う反面魔女が主人公の作品としては必然とも感じるところ。

成長システム

ファセット

ファセットに優劣が・・・

ファセットは8種類ありますが、ファセットにより覚えるスキルや得意な武器、成長するパラメータが異なります。ただ、シアトリカルスターとシノブシには価値のあるスキルが少なく、逆にマージナルメイズは強力なスキルが多いといった状態。ややバランスが悪く感じました。

人形制作

愛着が湧く人形制作

人形制作では人形兵の名前やビジュアル、ボイス、性格、成長の仕方などを自分で決めることができます。性格と成長の仕方はレベルアップ時のパラメータの上昇量に直結してしまうので戦略的に決めなければなりませんが、こういったカスタマイズ要素があることで人形兵へ愛着が湧いてきます。始めは弱かった子がレベルアップして強くなっていくと親のように嬉しく感じるのですよね。

人数が増えてくると面倒くさい

10人ぐらいまではそれぞれに特徴をもたせて脳内ロールプレイをしていたのですが、これが20人、30人となってくるともう面倒くさい。人数が多すぎるのですよね。最終的には名前とビジュアルだけ設定して後は初期設定のまま使っていました。

魂移し

スキルを引き継ぎ人形兵を強化

魂移しをする意味は2つあります。1つは本来ならば覚えられないスキルを他のファセットから引き継ぐこと。2つめはLv99となった人形兵をさらに強化することです。アステルナイトが持つ「不屈の精神」は戦闘不能になるダメージを受けたとき、1度だけHP1で耐えるスキルですが後半のBOSS戦などでは非常に有用。魂移しをすることでどのファセットにも引き継ぐことが出来ます。他にも行動順の遅いマージナルメイズへマッドラプターのスキルを引き継いだり、攻撃特化にするためゴシックコッペリアのスキルをアステルナイトに引き継いだり。どのスキルを使えばファセットを強化できるかを考えるのも中々楽しかったです。

誰をどう育てようとしていたのかを忘れる

あるファセットに特定のスキルを覚えさせるために、魂移しをおこなって別のファセットに変更したけど、時間が経ってからこの子どうするつもりだったんだっけ?ということが結構ありました。これも人数30人Overの弊害。

ストーリー

子供にはおすすめできない

暴力・グロテスク・性的描写あり

主人公となるのは黒髪長身の「夕闇の魔女ドロニア」と小さな少女「ルカ」。かなり序盤からルカに対するドロニアの暴力が散見されます。この時点で嫌悪感を感じる方も多いとおもいます。又、羊を井戸の中へ突き落したり人をナイフで刺し殺害したり、ルカが馬車へ轢かれる場面も。暴力以外にも嘔吐するシーンや性的な描写を描くシーンなどもあり子供向けではありません。しかし、そういった描写を耐えた先に素晴らしいストーリーが待っています。

伏線が張られたストーリー展開

最初は謎が多いが・・・

上のスクリーンショットは最序盤のワンシーンですが、これひとつとっても伏線となっています。こういった伏線が序盤からずっと続き、伏線を途中で回収しつつ新たな伏線が散りばめられ物語終盤で伏線がきれいに回収されます。明らかに怪しい羊飼いや、ドロニアのことを知っているような修道院のマリエッタ、死んだはずなのに時間が巻き戻り変化する展開、ルカとドロニアの関係、ドロニアの好物をルカが知っているのに当の本人がその食べ物自体知らない、人形劇の内容などなど。わざとプレイヤーにちょっとした違和感を感じさせ、後から意味がわかるストーリーのもっていきかたは良くできてると感じました。

ダンジョン内のメモやトロフィーの説明文まで

メインストーリーで語られる内容以外にもダンジョン内のメモやトロフィーの説明文にまで意味が込められています。ダンジョン内のメモは賢者やイサラのものであったり、トロフィーの説明文は地下迷宮から生きて戻った妖路歴程の作成者の日誌となっていたりと手が込んでいます。その内容から魔女フローラと賢者の間で過去になにがあったのかを考察するのも面白いですね。

感動のノーマルEND

大好きなドロニア様

※以下ネタバレ含みます。

エンディングのネタバレを含むます。クリア済の方の閲覧推奨

ノーマルENDのエンディングは感動的でした。オオガラスを倒したルカと妖路歴程はドロニアを生き返らせるために迎えにいきます。そこにはいつも通りのドロニア様が。足を引っかけてルカを転ばせ、ルカが抗議するシーンは久しぶりで微笑ましく感じました。

ドロニアが生き返るには決して後ろを振り向かず階段を出口まで上がりきる試練を受けなくてはなりません。しかしあの手この手でドロニアを振り向かせようとしてきます。ルカが階段から転げ落ち悲鳴をあげる声を幻聴として聞かせたり、背中に火が付いたような幻覚を与えたり。そのたびにドロニアはルカに問いかけて、ルカが大丈夫、大丈夫ですよと言い聞かせるシーンでもう涙腺が緩みはじめました。

階段を上へと昇るごとに、失われていたヴェロニアの頃の記憶が戻ってきます。イサラが亡くなったこと、ルカと始めて出会ったときのこと、ルカの父親が亡くなりヴェロニアがルカを引き取ることになったこと、イサラとの思い出の場所へルカと一緒にいったこと。

そして出口の光が見え始めたころドロニアはルカに問いかけます。もし生き返ったらドロニアとしての記憶はどうなるのかと。ルカは記憶がどうなるのか本当に分からないと答えますが・・・

ドロニアは振り向いてしまいました。ドロニアはもし生き返ったらドロニアとしての記憶は失われヴェロニアとして生き返ってしまうと気づいていました。恐らくルカもそれを分かっていてウソをついたのでしょう。なんで、なんでとルカは泣くじゃくります。

ドロニアとして最後にルカに「ありがとう、ルカ。」と伝えたかった。ルフラン市でともに過ごしルカに対する深い愛情を知ったドロニアのままでいたかった。その自分を無かったことにしたくはなかった。ドロニアが強く優しい女性であることがよく分かる描写です。

そしてルカが振り向き虚無の世界へ閉じ込められない様に、赤い目の力で振り向かずに出口に向かえと魔法を使います。ルカは無事に出口まで到達し、ネルド達と号泣しながら再会を果たしました。オオガラスを倒し世界を救った妖路歴程の魂は元の世界へと帰ります。

ドロニアには生き返ってほしかったですね。イサラもですが。またエンディングのBGMも素晴らしくて最後のドロニアが振り返った場面で泣きそうでした。この感覚は「魔女と百騎兵」の真ENDに近い感覚。「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」と「魔女と百騎兵」はシナリオ担当が同じ方というだけでなく、ストーリー的にも朧げに繋がっているので「魔女と百騎兵」をプレイ後にルフランをやるとより楽しめるようになっています。

真ENDはあっさり

ノーマルENDは手の込んだものでしたが真ENDは意外とあっさりしていました。この世界では既にヌッタやネルドは魂ごと平行世界へ送られているので存在しません。オオガラスの心臓を倒した後、封印に失敗するもカカ様とドロニア様の魂が助けてくれたときは、この2人いいとこもっていくなぁと思ってしまいました。

オオガラスが飛び立つのを食い止めたマズルカですが生き残ったのは世界でたった一人マズルカだけ。これはかわいそう。探し歩いて旅をしていたが未だ一人も見つかっていないとのこと。しかし、魂を取り込みすぎた影響でマズルカは悲しいという感情そのものを失っています。妖路歴程の魂へ語り掛けるマズルカは明るく振舞っていますが、感情を失っていることが分かっているので、その明るさが辛く感じます。

そしてその後の衝撃のカミングアウト。マズルカのお腹に子供がいると発言。子供は女の子。後に偉大な大魔女になるとマズルカは予言していますし、別の世界でというような発言もしているのでもしかしたらこの子が「魔女と百騎兵」の世界へ行きメタリカを作ったウルカとなった可能性も。

真ENDの一枚絵は実現しなかった世界ですよねこれ。実際はヴェロニアもイサラもいない世界でマズルカ1人ぼっちですから。ノーマルENDの平行世界にしても1人ぼっちではないだけで2人がいない世界です。本編の中でもイサラ・ヴェロニア・ルカが一緒にいた場面はないので、(イサラが嫁いでから亡くなるまでヴェロニアは会ってなかったはず)別の平行世界であったらいいな、という一枚絵なのでしょうか。

総合評価

総合評価はA~Eで判断してBランク。かなりエグいストーリー展開もありましたが、ノーマルENDが感動的で素晴らしかったのでBとしました。BGMも全般的に良かった、特にノーマルENDのBGMが。ストーリーが良くなかったらCランク止まりだったと思います。クリア後、余韻に浸れる作品は久しぶり。ストーリーの良い作品ってクリアした後も、あの部分はどういう意味だったのかとか寝る前に考えてしまいますよね。本作はそんな印象。(最近だと「ドラゴンクエストⅪ」もよかったです。)

戦闘は後半になると単調で飽きてきます。未来のマズルカ側は、意図的に魂移しとレベル上げをしなければ歯が立たない難易度なので、レベル上げのための戦闘の繰り返しとなり作業感が強くなってしまいました。ストーリーの進行もその分、ノーマルENDまでの進行と比べて遅いのでダレてきます。ドロニア様がいないというのも大きいですね。

後は旅団の人員が多すぎる。最大で10人ぐらいで良かった気がしますね。ガヴン内のファセットの組み合わせで劇的に役割やドナムが変化するのであれば沢山いても意味があったと思いますが、ドナムもメリット効果も結魂書依存なので効率考えるとガヴン内は全て同じファセットになってしまい3人でなく1人でいいよね?と考えてしまいます。人数が人数なので魂移しも手作業で面倒くさく感じたので、Lv99となったら上級職に転職して強化していく形でも良かった気がします。もしくは合体させてスキルを引き継ぐとか。

総評

色々不満も書いていますが本作は間違いなく良作です。「魔女と百騎兵」が好きな方は間違いなく買い。ダンジョンRPGが好きな人も買い。エグいストーリー展開が許容できるならおすすめできる作品です。今後シリーズ化しそうではあるのでプレイしてみてはいかがでしょうか。続編があってもドロニア様もルカもイサラも主人公は無理そうですが・・・。(いっそ平行世界のメタリカ様でもOK!)