「シャドウ・オブ・ウォー」
「シャドウ・オブ・ウォー」はワーナーゲームより2017年10月12日に日本で発売されたアクションゲーム。『シャドウ・オブ・モルドール』の続編となる作品です。このシリーズは「指輪物語」を原作とする「ホビット」と「ロードオブザリング」の間の時間軸が語られるストーリーとなっています。こちらの作品を管理人が実際プレイしてみての感想を今回書いてみました。
「シャドウ・オブ・ウォー」をレビュー
ストーリー
本作の主人公はタリオンという男性。前作の「シャドウ・オブ・モルドール」をプレイしていない方はストーリーはよく分からないまま進みます。管理人は「シャドウ・オブ・モルドール」をプレイしていないのに「シャドウ・オブ・ウォー」をプレイしたのでチンプンカンプンでした。
半透明のケレブリンボールという幽鬼がシェロブという女性に捕まってしまい、タリオンはケレブリンボールを助けるために指輪をシェロブへ渡すというのが物語冒頭。何の説明も無いままこの展開となるので、ケレブリンボールって誰?シェロブは何者?と疑問でいっぱい。
後々シェロブはサウロンに過去に裏切られていて打倒サウロン思考で、ケレブリンボールはサウロンと共に指輪を作り世界を支配しようとしていた(だいたいケレブリンボールとサウロンが元凶だろ)けどサウロンに殺されて幽鬼となり人に憑りついてなんとかかんとか…ってなことが分かってきます(←絶対分かってない)
とりあえず主人公はタリオンで、タリオンに憑りついてるのがケレブリンボール、シェロブが蜘蛛女で、悪者がサウロン。タリオン・ケレブリンボール・シェロブみんなで倒そう悪者サウロンってな感じで理解しておけば「シャドウ・オブ・ウォー」はきっと大丈夫。
システムの特徴
レビューの前にまず「シャドウ・オブ・ウォー」とはどんなゲームなのか紹介していきます。「シャドウ・オブ・ウォー」の特徴としては3つ挙げられます。1つ目は移動システム。2つ目はハクスラ要素。3つ目が本作最大の特徴ネメシスシステムです。
移動システム
本作では城壁の壁や柱はほぼどこでも登ることができます。他の作品でいうと「アサシンクリード」の移動システムに近いです。ストーリーの進行によってより快適になり、壁を登る際にタイミングよく×ボタンを押すことで加速するようになります。さらにストーリーが進むと2段ジャンプが出来るようになり、壁や屋根を伝って高速移動が出来るので移動しているだけで楽しくなってきます。
ハクスラ要素
本作にはハクスラ要素が存在します。敵には一般兵とは別に小隊長や軍団長が登場します。この小隊長や軍団長はアイテムをドロップする可能性があります。
アイテムには、ノーマル品・レア・エピック・レジェンドという風にランクが存在し、レジェンドが最もレアが高い装備となっています。又、レジェンド装備にはセット効果があり同じレジェンド効果を持つ装備を複数装備することによって特殊効果が発生するようになっています。
装備と同様に小隊長や軍団長にもランクがあります。ランクは装備同様エピック・レジェンドがあり上記スクリーンショットのように名前の後にランクが記載されます。ランクが高い程強力なオークとなりますが反面ドロップする装備のレア度も上昇します。
オークのランクやレベルはプレイヤーとの戦闘を重ねることで刻々と変化していきます。プレイヤーであるタリオンを倒したオークは出世してより強力なオークとなります。中には属性付き武器を与えられる場合もあります。プレイヤーを倒したオークへ復讐を果たす事でレア装備がドロップし易くなるため、わざと殺されてレア装備を集めるという方法も出来てしまいます。
ハクスラ要素は「ディアブロ」や「仁王」のようなものを期待すると肩透かしをくらうのでハクスラはおまけ程度に考えた方が良いですよ。
ネメシスシステム
最大の特徴と云えるのは”ネメシスシステム”。ネメシスシステムによってオーク達は”記憶”をします。例えば以前タリオンに倒された敵は次に出会ったときにちゃんと今までの戦闘の経緯に沿ったコメントを発します。
逆にタリオンを倒したオークに再度出くわすとビックリするほど煽って挑発してきます。オーク達のコメントが千差万別で聞いてて面白かった。とにかく本作はオークがよく喋る。恐らくタリオンよりよっぽど饒舌です。
オーク達に戦闘でダメージを与え弱らせることでタリオンの指輪の力で支配することもできます。支配することによってプレイヤーの護衛に付けたり、敵の小隊長へ襲撃をかけさせたり、軍団長の支配下へ潜り込んで裏切らせたりと使い方は様々。見た目は醜いオーク達ですが味方として一緒に戦っていると愛着も湧いてきます。
首を落として倒したはずのオークが死を免れ、パワーアップして帰ってくることもあります。見た目も前回の負傷した箇所がボロボロになっていたり、骨が見えちゃってたりしてそこも”記憶”されていて素直にすごいなぁと感じました。上のアズ=ランス君は4回も生き返ってます。本人曰くエルフの魔法(ケレブリンボールのことだと思うけど)の影響で死ななくなった、感謝しているなんてことを言っていました。
プレイヤーの配下となるオークを集めつつ、敵の軍団長や小隊長を倒して最終的に行うのが攻城戦。これが本作の醍醐味。城塞の首領にプレイヤーのオーク軍団で戦争を挑みます。敵味方入り乱れての大乱闘となります。プレイヤーも間違えて味方を殴ることが何十回と発生します。(←シャドウ・オブ・ウォーあるある)見事首領を倒す事が出来れば城を支配することができます。
新しい城の領主にはタリオンがなるのではなく、プレイヤーのオーク軍団から任意で1名首領に任命出来ます。お気に入りのオークを任命してあげましょう!
レビュー
GOOD POINT
良かった点は移動システムとグラフィック。後はオークのセリフかな。
移動システム
マップ自体は完全オープンワールドではなく、エリア別の準オープンワールド。1つのマップはそれ程広大ではありません。オープンワールド作品の難点は移動の退屈さだと思っているのですが、本作は素早く壁を登れて2段ジャンプも可能、ほとんどの壁が登れるので移動に関しては高評価。
グラフィック
グラフィックは比較的キレイだと感じました。戦闘中の「バットマンアーカム」シリーズのようにヌルヌル動く場面のグラフィックや、オーク達の表情などオープンワールドの中ではかなりキレイな方だと思います。
オーク達のセリフ
ちゃんと過去のタリオンとの戦闘の経緯に沿ったセリフを毎度聞かせてくれるので次は何て言ってくるのか期待してしまいます。同じセリフを聞くことも体感ではそれほど無かったのでかなりの量のセリフが用意されていたと思います。後、城の首領によって城の外観まで変化するのもこだわりを感じました。
首領にするオークによってはこんなキレイな城になることも。
BAD POINT
悪かった部分は戦闘やオーク達を使ったシステム。悪いという表現より、全体的に大味という表現がしっくりきます。その為、飽きるのが早い。
戦闘システム
□で攻撃、△でカウンター、〇で衝撃波が基本。あとは憤怒ゲージが溜まった際に使用出来るスキルがあります。最初こそボタンを押して流れるように繰り出される攻撃に感動しますが、あくまで”魅せる戦闘”であって”楽しい戦闘”では無いと感じました。
戦闘を繰り返せば繰り返すほど変わり映えしない戦闘に飽きてきます。もう少し主人公の能力が序盤・中盤・終盤で大きく変わるようであれば、まだ楽しめたかなとは感じます。後は無駄に敵の体力が高いのもBAD。ただただ戦闘が長引くだけなので。
オーク達のシステム
オークの軍団のシステムも大味。戦略性は無いに等しい。レベルの高いオークを数多く集めておけば良いだけといった印象。オークも使い捨て感が強く、せっかく育てたオークもあっさり死にます。
総合評価C
総合評価:Cランク
「シャドウ・オブ・ウォー」は目立った短所も無く、全体的によく出来ています。が、単調な戦闘と上方向に成長の乏しい成長システム(横方向に広く浅い成長はあるのですが…)のせいでハクスラ要素があるにも関わらず飽きやすい作品。見てくれは良いのですがハリボテで中身が薄い。制作会社は違いますが「アサシンクリード」に良くも悪くも似た感想となってしまいました。普段アクションゲームをやらず手軽にかっこいいアクションをやりたい方にはおすすめ。