新型M2 Macbook Air |旧型との違いは?M1と比較してみた

新型M2 Macbook Air |旧型との違いは?M1と比較してみた

2022年6月7日に開催されたAppleの開発者向けイベント・WWDC22にて、次世代版のMac向けプロセッサ「M2」が発表されました。同時に発表された新型MacBook Airと新型MacBook Proに搭載されるM2チップですが、前モデルのM1チップからどのように進化しているのかとても気になりますよね?そこで、この記事ではM2のスペックやM1と性能の違いなどをご紹介していきます!

Apple Mチップとは

Mチップとは、AppleがMac向けに独自開発したSoC(システムオンチップ)です。最初のAppleシリコンである「M1」は、それまで採用していたIntel CPUに代わる次世代プロセッサとして、2020年11月11日に発表されました。iPhoneやiPadなどに搭載されている「Aチップ」と同様、自社製品に最適化された独自チップの採用は、パフォーマンスや開発環境の互換性において大きなメリットとなりました。つまり、Mチップは低電力かつパワフルな動作をMacに与え、次世代のパフォーマンスを実現した優秀なプロセッサであると言えます。

M1とM2のスペック

前世代のM1とM2の基本的なスペックをまとめました。簡単に説明すると、「CPU」「メモリ」「メモリ帯域幅」は処理速度、「GPU」は画像処理能力に関係します。また、「Neural Engine」は機械学習処理能力、「トランジスタ数」は性能の高さを表しています。それぞれの値が大きいほど高性能なプロセッサであると考えてください。

M1

  • CPU:8コア(高性能4コア/高効率4コア)
  • GPU:最大8コア
  • メモリ:最大16GB
  • メモリ帯域幅:68.25GB/s
  • Neural Engine:16コア
  • トランジスタ数:160億

M2

  • CPU:8コア(高性能4コア/高効率4コア)
  • GPU:最大10コア
  • メモリ:最大24GB
  • メモリ帯域幅:100GB/s
  • Neural Engine:16コア
  • トランジスタ数:200億

M1とM2のCPU比較

Appleによると、M2はM1と同じコア数にも関わらずマルチスレッド性能が18%向上しているとのことです。また、高性能コアと高効率コアがそれぞれ4つずつの計8コアで構成されていますが、M2では高性能コアの共有キャッシュが4MB増加しているようです。しかし、この性能向上はCPU単体ではなく全体での数値であり、M1自体が十分高性能である点を考えると、実際には18%の差を感じない可能性があります。このことから、M1マックブックからM2搭載モデルに移行しても劇的なCPUパフォーマンスの向上は望めないでしょう。

M1とM2のGPU比較

Appleの発表では、M2はコア数が最大10コアとなり、M1よりも2コア増加しました。これによりGPU性能が35%も向上し、高いグラフィックス性能を要求するゲームや動画編集などにもある程度対応できると思われます。ですが、統合・省電力型のプロセッサである関係上、やはり専用GPUの処理能力とは大きな差があると考えられます。そのため、MacBook Air M2などで高解像度の動画編集やゲームといったことを主な使用目的にするのは難しいと言えそうです。

M1とM2のメモリ比較

M1ではメモリ容量が最大16GBでしたが、M2になったことで最大24GBまで搭載できるようになりました。さらに帯域幅が50%と大幅に向上しており、一度に転送できるデータ転送量の増加は大容量のゲームや高解像度データを扱う場面などにおいて非常に有効であると言えます。M1とM2は共に標準では8GBのメモリですが、この容量は購入時のオプションで追加することが可能です。注意点としましては、Mチップは一体型のメモリであるため購入後に増設ができないことが挙げられます。購入する際は、使用用途に合わせてメモリ容量を選ぶようにしましょう。

最期に

先月発売されたMacbook Proに続き、7月15日にはMacBook Air 2022が発売になります。非常に高いパフォーマンスを誇るAppleシリコンですが、M1とM2のスペックにはそれほど大きな変化がないように見受けられました。また、最近の価格改定によりマックブックは約4〜5万円の値上げとなっており、M1モデルからM2モデルへ買い替えを急ぐメリットは薄いと言えるかもしれません。とはいえ、M2は非常に魅力的であることに間違いはないので、Appleシリコン以外のPCをお使いの方は新型マックブックを手にしてみるのも良いのではないでしょうか?